笑う ・ NPO法人気功協会ホームページ「気功のひろば」

笑う

笑いの門

中国のお寺に行くと、その入口には割腹のよい彌勒仏がどっしりと腰を据えて
満面 の笑みをたたえています。
なぜ入口に彌勒仏なのでしょうか。
禅密功の始伝者劉漢文先生の話によると
「仏の道を歩むならまず笑いなさい、笑うことが一番初めの関門ですよ」
という意味が込められているのだそうです。
気功も、まず微笑むことから始まります。
では気功をする時になぜ微笑む必要があるのでしょうか。

免疫系の変化

笑いの研究では、柴田病院の伊丹仁朗先生の研究が有名です。
伊丹先生は、様々な実験の結果、
笑うと人体の免疫活性は上昇するということを科学的に実証されています。
さらに興味深いことには、本当におかしくて笑ったのではなくて、
ただ笑った顔をしているだけで、免疫活性が高くなっているのです。
ただその中に一例だけ例外があったそうで、
その人は額にしわをよせたまま一生懸命笑おうとしていたそうです。
伊丹先生は、癌などの難病や人生の困難を乗り越えるために、
笑いや、積極的な心の働きを活用した生きがい療法を実践し効果 を上げています。
笑うことで癌もなくなるといえばちょっと誇張した感じに聞こえますが、
笑うことで免疫活性が上がるのであれば、
笑うことで癌がなくなるというのも科学的な根拠のある話だと言えます。

笑いのメカニズム

あなたは、笑おうと思ったら今すぐ、その場で笑えますか。
試しに笑ってみてください。
へっへっへっというのは何か下心があるようでいけませんね。
ハッハッハッと素直に、できれば豪快に笑ってください。
また、泣こうと思ったら今泣けますか。
怒ろうと思ったらすぐ怒れますか。
泣こう、怒ろうと思っても、具体的に悲しむべきことがなくて泣くのも、
怒るべき対象がなくて怒るのもとても難しいことです。
これらは本来緊急用の心の働きで、悲しければ泣き、腹が立てば怒ってしまえばスッキリする。
どちらも感情の働きを調整する作用の表出ですから、何もないところに悲しみは生まれず、
何もないところに怒りは生まれません。
笑うのはどうでしょう。笑うのは何もなくても自然に笑えます。
ただし、特別 なとらわれがなければ、ですね。
大声でワッハッハッと笑えた人はなかなかの自然人です。
ちょっと微笑むぐらいなら簡単ですね。
自然なままに余分なとらわれがなければ素直に笑えるわけです。
そう、笑いというのは自然なままのいわば中性的、ニュートラルな感情で、
身体内部のエネルギーが純粋な形で発露したものと考えることが出来ます。
エネルギーというのは貯えればいいかというとそうでもなく、
お金が沢山あり過ぎるとそのことで悩むのと同様、
余るとかえっていろんな病気になったりして悪さをしだすのです。
足りなければ補うが、余れば捨てる必要がある。
ちょうどよいのが一番で、過剰なものはよくよく注意しないとみな毒になります。
笑いは自然なエネルギーのバランス調整なのです。
身体の余ったエネルギーが笑いの純粋なエネルギーに昇華されます。
腹を抱えて笑うと、お腹が大きく振動し、内臓も活発に動き、汗が出て、
心身共に解放されスッキリ爽快になります。
ですから、ダイエットにも笑うのがとてもよいのです。
また、エネルギーが不足している場合には
笑うことでエネルギーを取り入れようとする働きが活性化します。
どんな状況でも流れをよくすれば自然に戻っていく力が働きます。
ためることに執着しない、無いからといつて過度に惜しまない。
体というものは使うことで丈夫になるのですから、外からかばい過ぎないことも大事な嗜みです。

笑いは伝染する

ところで、大勢の中で一人がプッと吹き出すと、周りの人もつられてつい笑ってしまいますね。
笑いというのは一種の波動ですから、周りに伝わっていく力を持っています。
難しい気功は知らなくても、いつも笑っている人がいれば、その人は自分で練功もし、
その効果 を周りの人にもどんどん伝えていることになります。
同じ電車の車両の中で、一人怒っている人がいると全体が険悪な雰囲気に包まれます。
いつもいつも腹ばかり立てていると、自分だけではなく、周りの人も大変です。
行き場が無く圧縮されたエネルギーはどこかで噴出してみんなに影響しますから、
どうせなら腹の底から思いっきり笑い、全てを解放してしまいましょう。
気功をするのでも、笑いのない練功はあまり感心しません。
笑いは自然度のバロメーターのようなもので、
笑いのある練功は楽しく自然に即したものだと言えます。
笑いのない練功、辛く苦しい練功は昔の精神鍛練のようなものですから物好きな人にはいいですが、
あまりお薦めはしません。
気功というのは、ただ効果があるだけではなくて、
気功をすること自体が楽しみと喜びに満ちているというのがその大切なポイントなのです。

笑いは気功

気功をする時に微笑むのは、心身のゆるみを簡単に実現するためでもあり、
身体のエネルギーバランスをとるためでもあり、
またいつでも自然な通 りの良い状態にあるためでもあるのです。
そして、もっと積極的に禅密功には笑う気功というものもあります。
劉漢文先生に習った笑うためのコツはおへそを動かすこととお花が咲くイメージ。
そして、赤ちゃんが生まれ落ちる時の第一声。
「笑いは先天のもの、みな喜びながら生まれてくる」、
そして「一切のものに笑えば、万事がうまくいく」のだそうです。
笑いは、老若男女、万国共通の原始の自然な波動なのですね。
笑えばゆるみ、ゆるめば笑う。笑い即気功。気功即笑い 。
底なしに暗い時代から底抜けに明るい時代へ、気功で万人の自然感覚を取り戻し、
平和で心身共に豊かな未来を切り開いていきましょう。ハッハッハッハ。

気功生活Vol.13 より 転載